2008年5月15日

漢方と予防医学

漢方を暮らしに取り入れる 生活習慣病や心身症、アレルギー疾患などは漢方医学の得意分野です。予防医学において、漢方はとても有用です。

全身のバランスを整えて不調を治すのが漢方 漢方医学と西洋医学では、健康や病気に対する考え方が大きく異なります。西洋医学では、人の身体はさまざまな部品が集合した精密機械ととらえます。そして病気は、部品の一つが故障や異常をおこすことで生じると考えます。

そのため、尿や血液の採取、X線撮影、CT、MRIなどの検査を行って、データ的にはっきり異常が認められるときに病気と診断し、治療の対象とします。

一方、漢方医学では、人体はいろいろな臓器や組織が密接に関連し、バランスをとっている一つの小宇宙=生命体ととらえます。そのため、部分的にみえる病気や症状でも、こころを含めた全身的な体内バランスの乱れによる変調だと考えて、治療の必要性を認めます。

漢方は未病という考え方を取り入れる このように漢方医学では、たとえはっきりした異常が認められなくても、心身のバランスの崩れも未病として治療します。未病は、火事にたとえるとボヤ、つまり半分健康の状態です。

検査では異常が認められていないのに、さまざまな自覚症状がある場合や、逆に検査では異常がみつかっているにもかかわらず、自覚症状がない場合、また現時点ではまったく健康状態であっても、病気の方向に向きつつある場合に、半健康状態の未病と判断します。

漢方医学が未病を治療対象にするのは、予防を重視しているからです。つまり本格的な病気になるまえに、病気の芽を摘んでしまうことに重きをおき、この考え方を医療の理想としてきました。

西洋医学では、ワクチン接種による感染症予防や、定期健診、人間ドックによる病気の早期発見などの予防医療が行われてきました。

しかし漢方医学では、別のアプローチによって予防医療の考え方に数千年もまえから着目をしてきたわけです。

また、漢方医学の目的は、病気の芽を摘むだけではありません。年を重ねてからも穏やかで積極的な人生を送るため、心身のバランスを調和させ、本当の健康を得ることが大切という前向きの発想があります。
慢性病や生活習慣病、不定愁訴は得意分野西洋医学は、たとえばどの臓器が悪いのか、がん細胞はないのか、徹底的に原因を追究します。その結果、細菌が原因であれば構成物質を使い、がんをみつければ切除したり、放射線や抗がん剤などで治療します。

これに対して漢方医学では、からだの一部分に起きた病変でも、全身のバランスの崩れが原因ととらえ、全身の調和を修復することによって、その人自身がもつ自然治癒力を高めて治そうとするものです。

病気を臓器に限定されたレベルで考える西洋医学に対して、病気を全体的なレベルで捉えていくのが漢方医学といえます。そして、その治療法に不可欠のものが、天然物を原料として漢方薬になります。

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